日本の薬機規制 その批判的考察
医薬・医政行政の混迷
第36回 不十分なリソースのうえの査察力強化とさらなる自主点検要請など
元厚生労働省(薬系技官)津田重城
2024年3月15日号
2月28日付の厚生労働省医薬局監視指導・麻薬対策課に関する日刊薬業の記事「GMP調査強化へ、全国の『査察リポート共有』。違反巧妙化踏まえ、『見抜く力』を底上げ」を読み、悪い予感がした。監麻課長のコメントはまるで警察幹部のような、従来から薬機行政の欠点と言われている「取り締まり」そのものではないか。記事では「違反を犯す企業の手口が巧妙化する中で」とあるがエビデンスはあるのだろうか。捏造や二重帳簿は、15年の旧化学及血清療法研究所(化血研)の事例でも見られたし、20年に発覚した日医工の事例も巧妙だった。また、少なくとも後発品の半分以上の原薬を製造・供給している外国製造業者についてはまったく触れておらず、バランスがとれていない点も気にかかる。その妥当性には大きな疑問符が付く。
さらに悪いことに3月4日の「後発医薬品の安定供給等の実現に向けた...
2月28日付の厚生労働省医薬局監視指導・麻薬対策課に関する日刊薬業の記事「GMP調査強化へ、全国の『査察リポート共有』。違反巧妙化踏まえ、『見抜く力』を底上げ」を読み、悪い予感がした。監麻課長のコメントはまるで警察幹部のような、従来から薬機行政の欠点と言われている「取り締まり」そのものではないか。記事では「違反を犯す企業の手口が巧妙化する中で」とあるがエビデンスはあるのだろうか。捏造や二重帳簿は、15年の旧化学及血清療法研究所(化血研)の事例でも見られたし、20年に発覚した日医工の事例も巧妙だった。また、少なくとも後発品の半分以上の原薬を製造・供給している外国製造業者についてはまったく触れておらず、バランスがとれていない点も気にかかる。その妥当性には大きな疑問符が付く。
さらに悪いことに3月4日の「後発医薬品の安定供給等の実現に向けた産
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