薬のおカネを議論しよう
能登半島地震とクスリの継続
第109回
医療ガバナンス研究所医師 尾崎章彦
2024年3月15日号
災害時の処方継続を支援する仕組みが整いつつある。2月28日から3月4日まで、能登半島地震の被災地に支援活動に入り、実感したことだ。今回の災害は有史以来、最も高齢化が進行した地域で発災した大規模災害と言える。奥能登の高齢化率は極めて高く、筆者が滞在した輪島市の21年の65歳以上人口割合は45.7%に達している。東日本大震災で被災した福島県沿岸部、例えば南相馬市の65歳以上人口割合は当時26.6%だった。今回の被災地域の高齢化がいかに進行しているかが窺い知れる。
高齢者は糖尿病や高血圧など慢性疾患を抱えていることが多く、災害時に彼らが切れ目なく服薬を継続できるようサポートすることが重要だ。実際、11年の東日本大震災や05年のハリケーンカトリーナ(米ニューオーリンズ)など、過去に起きた大規模災害でも慢性疾患における薬剤継続が常に課題となった。東日本大...
災害時の処方継続を支援する仕組みが整いつつある。2月28日から3月4日まで、能登半島地震の被災地に支援活動に入り、実感したことだ。今回の災害は有史以来、最も高齢化が進行した地域で発災した大規模災害と言える。奥能登の高齢化率は極めて高く、筆者が滞在した輪島市の21年の65歳以上人口割合は45.7%に達している。東日本大震災で被災した福島県沿岸部、例えば南相馬市の65歳以上人口割合は当時26.6%だった。今回の被災地域の高齢化がいかに進行しているかが窺い知れる。
高齢者は糖尿病や高血圧など慢性疾患を抱えていることが多く、災害時に彼らが切れ目なく服薬を継続できるようサポートすることが重要だ。実際、11年の東日本大震災や05年のハリケーンカトリーナ(米ニューオーリンズ)など、過去に起きた大規模災害でも慢性疾患における薬剤継続が常に課題となった。東日本大震災
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