財界論
荒波に揉まれ続けた中部財界
第42回 五摂家から新御三家へ
茨城大学名誉教授 古賀純一郎
2024年3月15日号
今回は中部(名古屋)財界を取りあげよう。もっともどっぷり浸かって取材したわけではないので、まずは「座学」ということで文献を当たってみた。だが、そう多くないことに気付くまでに時間はかからなかった。
複雑な風土から発展した
城山三郎著作から読み解く
幸運だったのは、やや古いがキラリと光る1冊を見つけたことである。私立大学で景気論を講義したことのある経済小説家の城山三郎著『創意に生きる│中京財界史』がそれ。約70年前の1955年5月から名古屋の経済紙に半年間連載した。昭和初期の書籍にも当たり辛口の分析が目立つ。創意とは経営者に必須の「新たに物事を考えだす心」「独創的な考え」のことである。
一読して驚嘆した。中部財界とはこういう世界だったのかと。城山は世間でよく言われる評価として「消極性・保守性」「進...
今回は中部(名古屋)財界を取りあげよう。もっともどっぷり浸かって取材したわけではないので、まずは「座学」ということで文献を当たってみた。だが、そう多くないことに気付くまでに時間はかからなかった。
複雑な風土から発展した
城山三郎著作から読み解く
幸運だったのは、やや古いがキラリと光る1冊を見つけたことである。私立大学で景気論を講義したことのある経済小説家の城山三郎著『創意に生きる│中京財界史』がそれ。約70年前の1955年5月から名古屋の経済紙に半年間連載した。昭和初期の書籍にも当たり辛口の分析が目立つ。創意とは経営者に必須の「新たに物事を考えだす心」「独創的な考え」のことである。
一読して驚嘆した。中部財界とはこういう世界だったのかと。城山は世間でよく言われる評価として「消極性・保守性」「進取
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