医薬経済オンライン

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健康保険はじめて物語

出産育児一時金のはじめて(その2)

第5回

フリーライター・早川幸子

2024年4月1日号

 23年は、出産費用の支援策をめぐって、国の方針が大きく転換された年となった。「妊娠、出産は疾病ではない」という理由づけのもと、日本は、長らく正常分娩にかかる費用に公的医療保険を適用していなかった。だが、少子化の危機的状況を受け、12月22日に閣議決定された「こども未来戦略」で、26年を目途に正常分娩を保険適用することが約束されたのだ。  近年では画期的な制度改正と言えるが、健康保険の歴史をたどってみると、正常分娩への保険適用ははじめてのことではない。実は、1927(昭和2)年に労働者のための健康保険が施行された当初は、助産の費用への現物給付が認められていた。つまり、正常分娩も保険給付の対象になっていたのだ。それなのに、なぜ、近年は保険適用の対象外となっているのだろうか。今回は、公的医療保険が創設された当時の出産に関する給付について紐解い...  23年は、出産費用の支援策をめぐって、国の方針が大きく転換された年となった。「妊娠、出産は疾病ではない」という理由づけのもと、日本は、長らく正常分娩にかかる費用に公的医療保険を適用していなかった。だが、少子化の危機的状況を受け、12月22日に閣議決定された「こども未来戦略」で、26年を目途に正常分娩を保険適用することが約束されたのだ。  近年では画期的な制度改正と言えるが、健康保険の歴史をたどってみると、正常分娩への保険適用ははじめてのことではない。実は、1927(昭和2)年に労働者のための健康保険が施行された当初は、助産の費用への現物給付が認められていた。つまり、正常分娩も保険給付の対象になっていたのだ。それなのに、なぜ、近年は保険適用の対象外となっているのだろうか。今回は、公的医療保険が創設された当時の出産に関する給付について紐解いてい

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