平時医療体制の破綻に備える〜電光石火こそ最良の有事医療〜
米軍最新戦場救命ガイドライン①
第193回 「示さない」という自衛隊の絶望
埼玉県国民保護協議会委員 照井資規
2024年4月1日号
本連載にて、陸上自衛隊の救急法検定が「現場の部隊が必要とする内容を実施する」という「丸投げ検定」として以来、人は易きに流れるものであるから、必要でないと思えば実施しなくてもよいとなり、現場の隊員の救急処置能力が著しく低下した。航空自衛隊、海上自衛隊は陸自よりもさらに悪いという問題を取り上げてきた。
1月25日に米軍は戦場における救命のガイドラインを更新した。通例であれば、最新ガイドラインは秘密であり、約2年後に更新された後に公開されていたが、今回は異例の1月29日の公開となった。筆者はすぐに全文を翻訳したが、すべての将兵から衛生特技軍曹による応急処置、軍医による応急治療の各段階で、抗菌薬、抗炎症薬、解熱・鎮痛薬の用法・用量の細部に至るまで示されていることに驚いた。もし、これを現役の自衛隊員が見たならば「示さない」自衛隊救急法検定...
本連載にて、陸上自衛隊の救急法検定が「現場の部隊が必要とする内容を実施する」という「丸投げ検定」として以来、人は易きに流れるものであるから、必要でないと思えば実施しなくてもよいとなり、現場の隊員の救急処置能力が著しく低下した。航空自衛隊、海上自衛隊は陸自よりもさらに悪いという問題を取り上げてきた。
1月25日に米軍は戦場における救命のガイドラインを更新した。通例であれば、最新ガイドラインは秘密であり、約2年後に更新された後に公開されていたが、今回は異例の1月29日の公開となった。筆者はすぐに全文を翻訳したが、すべての将兵から衛生特技軍曹による応急処置、軍医による応急治療の各段階で、抗菌薬、抗炎症薬、解熱・鎮痛薬の用法・用量の細部に至るまで示されていることに驚いた。もし、これを現役の自衛隊員が見たならば「示さない」自衛隊救急法検定とさ
有料会員限定
会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください
【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)
ログイン
会員登録