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医工連携

何度も直せる3D印刷義歯を開発

医工連携の実践者113 古川英光 山形大学教授

2024年4月15日号

 フレイル予防には、健全な口腔機能が欠かせない。厚生労働省の22年「歯科疾患実態調査」によれば、65歳を越える頃から急速に喪失歯が増え、75~84歳では1人平均11.2本を失っているそうで、健康寿命延伸のため義歯の助けを必要とする高齢者が多数存在することになる。  その義歯は、1回つくったら生涯に渡って使えるというものでもなく、口腔内の形や状態の変化に応じて適切に調整しないと、痛みや違和感の原因となって、逆に口腔機能の健全さを失わせることになりかねない。一方、その調整作業には熟練度と手間を要するし、お金もかかる。結果、義歯の恩恵に十分与れないでいる高齢者も少なくないと考えられる。  そんななか、温めると柔らかくなり冷えると固まる形状記憶ゲルを義歯床部に使用することで、最初の製作時に口腔内での精密な型取りが不要になるだけでなく、不...  フレイル予防には、健全な口腔機能が欠かせない。厚生労働省の22年「歯科疾患実態調査」によれば、65歳を越える頃から急速に喪失歯が増え、75~84歳では1人平均11.2本を失っているそうで、健康寿命延伸のため義歯の助けを必要とする高齢者が多数存在することになる。  その義歯は、1回つくったら生涯に渡って使えるというものでもなく、口腔内の形や状態の変化に応じて適切に調整しないと、痛みや違和感の原因となって、逆に口腔機能の健全さを失わせることになりかねない。一方、その調整作業には熟練度と手間を要するし、お金もかかる。結果、義歯の恩恵に十分与れないでいる高齢者も少なくないと考えられる。  そんななか、温めると柔らかくなり冷えると固まる形状記憶ゲルを義歯床部に使用することで、最初の製作時に口腔内での精密な型取りが不要になるだけでなく、不具合

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