医薬経済オンライン

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技術革新と製薬企業の明日

熾烈なmRNAワクチン開発競争

第161回 ビジネスチャンスを失いつつある日本企業

宮田総研代表取締役 宮田満

2024年4月15日号

 新型コロナウイルスパンデミックが収束し、日常を取り戻した今、製薬企業関係者の心に残った火は、mRNA医薬という新モダリティの可能性だった。多数の製薬企業とベンチャーが、mRNA創薬に挑戦中だ。米モデルナや独ビオンテックが「mRNA医薬は配列を変えるだけで幅広い疾患のワクチンや治療薬となる。しかも、製造プロセスもシンプルで、設備投資も少ない」と喧伝し過ぎたせいで、期待は膨らんだ。なかでもがんに対する個別化ワクチンへの期待は過熱気味だ。今回はmRNA医薬の真実に切り込む。  3月6日に情報を更新した国立医薬品食品衛生研究所遺伝子医薬部のmRNA医薬開発状況の情報を基に分析する。商品化と治験入りしているmRNA医薬は85種ある。概観すると現在の段階ではmRNA医薬の中心は感染症ワクチン、次にがんで、希少疾患や心疾患などその他の治療領域への浸透は端緒についたばかり...  新型コロナウイルスパンデミックが収束し、日常を取り戻した今、製薬企業関係者の心に残った火は、mRNA医薬という新モダリティの可能性だった。多数の製薬企業とベンチャーが、mRNA創薬に挑戦中だ。米モデルナや独ビオンテックが「mRNA医薬は配列を変えるだけで幅広い疾患のワクチンや治療薬となる。しかも、製造プロセスもシンプルで、設備投資も少ない」と喧伝し過ぎたせいで、期待は膨らんだ。なかでもがんに対する個別化ワクチンへの期待は過熱気味だ。今回はmRNA医薬の真実に切り込む。  3月6日に情報を更新した国立医薬品食品衛生研究所遺伝子医薬部のmRNA医薬開発状況の情報を基に分析する。商品化と治験入りしているmRNA医薬は85種ある。概観すると現在の段階ではmRNA医薬の中心は感染症ワクチン、次にがんで、希少疾患や心疾患などその他の治療領域への浸透は端緒についたばかりで

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