家計簿目線の医療経済 コスパ患者学
リクシアナ:1300億円を正当化できるエビデンスはあるのか
第42回
黒澤 恵
2024年4月15日号
薬効と薬剤費から費用対効果(コスパ)を考える本連載、今回は直接経口抗凝固薬(DOAC)である「リクシアナ」(エドキサバン)を再び取り上げる。23年売上高はIQVIAによれば1315億4700万円。前年比12.9%という伸びだ。
本剤の有用性は、日本からも1010人が参加した国際無作為化試験「ENGAGE-AF」がエビデンスだ[NEJM 2013;369:2093]。第22回(23年6月15日号)でも紹介したように、抗凝固療法の適応がある心房細動患者に標準療法のエドキサバンを用いると、2.8年間(中央値)でワルファリンに比べ143人に1人が「脳梗塞・脳出血/全身性塞栓症」を予防できた。逆に言えば、残りの142人はどちらを飲んでもリスクは変わらなかった。そして出血リスクについても、エドキサバンを飲んだ67人中1人が、ワルファリンを飲んでいたら起こしていたであろう大出血を避けられた。
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薬効と薬剤費から費用対効果(コスパ)を考える本連載、今回は直接経口抗凝固薬(DOAC)である「リクシアナ」(エドキサバン)を再び取り上げる。23年売上高はIQVIAによれば1315億4700万円。前年比12.9%という伸びだ。
本剤の有用性は、日本からも1010人が参加した国際無作為化試験「ENGAGE-AF」がエビデンスだ[NEJM 2013;369:2093]。第22回(23年6月15日号)でも紹介したように、抗凝固療法の適応がある心房細動患者に標準療法のエドキサバンを用いると、2.8年間(中央値)でワルファリンに比べ143人に1人が「脳梗塞・脳出血/全身性塞栓症」を予防できた。逆に言えば、残りの142人はどちらを飲んでもリスクは変わらなかった。そして出血リスクについても、エドキサバンを飲んだ67人中1人が、ワルファリンを飲んでいたら起こしていたであろう大出血を避けられた。
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