財界論
キックバックと陳情
第43回 自民党を増長させた企業
茨城大学名誉教授 古賀純一郎
2024年4月15日号
紀元前ローマ時代の南イタリアの詩人ホラティウスが起源の西洋のことわざ「大山鳴動して鼠一匹」をご存知だろうか。ラテン語の原文は「山々が産気づいて滑稽なネズミ1匹が生まれる」のようだが、その意味は「大きな山が大きな音を響かせ揺れ動くので大噴火が起きるのかと思ったら、出てきたのはネズミ1匹だけだった」とか。
今回の自民党各派閥のパーティー券収入を巡るキックバック(還流)・裏金騒動は国内最強の東京地検特捜部が捜査に着手した段階では、大規模な疑獄事件へ発展かとも騒がれた。だが、これとは真逆の「裏腹に共謀の事実が確認できなかった」として安倍派の重量級5人衆をはじめとする大物政治家の逮捕・起訴はあっさり見送られた。まさにこの言葉どおりの結末となった。世論が落胆したのは言うまでもない。
起訴されたのは派閥の会計責任者や軽量級の一...
紀元前ローマ時代の南イタリアの詩人ホラティウスが起源の西洋のことわざ「大山鳴動して鼠一匹」をご存知だろうか。ラテン語の原文は「山々が産気づいて滑稽なネズミ1匹が生まれる」のようだが、その意味は「大きな山が大きな音を響かせ揺れ動くので大噴火が起きるのかと思ったら、出てきたのはネズミ1匹だけだった」とか。
今回の自民党各派閥のパーティー券収入を巡るキックバック(還流)・裏金騒動は国内最強の東京地検特捜部が捜査に着手した段階では、大規模な疑獄事件へ発展かとも騒がれた。だが、これとは真逆の「裏腹に共謀の事実が確認できなかった」として安倍派の重量級5人衆をはじめとする大物政治家の逮捕・起訴はあっさり見送られた。まさにこの言葉どおりの結末となった。世論が落胆したのは言うまでもない。
起訴されたのは派閥の会計責任者や軽量級の一部
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