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平時医療体制の破綻に備える〜電光石火こそ最良の有事医療〜

米軍最新戦場救命ガイドライン②

第194回 両極へと広がる日米時間概念の差

埼玉県国民保護協議会委員 照井資規

2024年4月15日号

 米軍は24年に後方部隊から前方に派遣する、治療能力を増強する部隊を新編する。「PCAD」(Prolonged Care Augmentation Detachment=延命応急処置強化分遣隊)というものだ。  戦闘が激しくなり前線からの傷病者後送が遅延することや、傷病者の数が多すぎて治療を受けるまでに時間がかかる場合を想定。救命または出血や機能維持を決定付ける治療が受けられるまでの時間的余裕を得るために、前方での応急治療能力を増強するものだ。  日本を除く先進国の軍隊では傷病者に早期に治療を受けさせる方針と、後送が遅延した場合に備えた延命のための前方治療の両方を重視し、どちらの時間的尺度も整備している。しかし、自衛隊だけは「10分、1時間陸自救命ドクトリン」(10分以内の救護、1時間以内の緊急外科手術)のように、早期に治療を受けさせる時間的目標に固執しており、そ...  米軍は24年に後方部隊から前方に派遣する、治療能力を増強する部隊を新編する。「PCAD」(Prolonged Care Augmentation Detachment=延命応急処置強化分遣隊)というものだ。  戦闘が激しくなり前線からの傷病者後送が遅延することや、傷病者の数が多すぎて治療を受けるまでに時間がかかる場合を想定。救命または出血や機能維持を決定付ける治療が受けられるまでの時間的余裕を得るために、前方での応急治療能力を増強するものだ。  日本を除く先進国の軍隊では傷病者に早期に治療を受けさせる方針と、後送が遅延した場合に備えた延命のための前方治療の両方を重視し、どちらの時間的尺度も整備している。しかし、自衛隊だけは「10分、1時間陸自救命ドクトリン」(10分以内の救護、1時間以内の緊急外科手術)のように、早期に治療を受けさせる時間的目標に固執しており、それが

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