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会社を救った評価の割に薄い「中山元社長本」

「私の履歴書→書籍化」で武田薬品と並んだ第一三共

2024年5月1日号

 米スタンフォード大学でキャリア学を教えた故ジョン・D・クランボルツ教授の「計画的偶発性理論」によると、個人の職業経歴のおよそ8割は、予想しない偶発的な事象によって決定されるのだという。その偶然を計画的に設計することで、より良いキャリアを得ることができると説いている。さらに教授によると、偶発性は、好奇心や持続性、柔軟性や楽観性、冒険心といった行動特性を持つ人に起こりやすいのだそうだ。  文字にしてしまえば、いわゆるアメリカンドリームをわざと難しく説明した至極当たり前の法則のように思えるが、8割という数字自体はなかなか趣深い。製薬業界で話題となっている第一三共の常勤顧問・中山讓治氏が著した『私の履歴書 新薬に出会うまで』を読むと、身に降りかかった予期せぬ境遇や契機を基本的に受け入れながら、前向きに対応するうちに同社のトップの座が転が...  米スタンフォード大学でキャリア学を教えた故ジョン・D・クランボルツ教授の「計画的偶発性理論」によると、個人の職業経歴のおよそ8割は、予想しない偶発的な事象によって決定されるのだという。その偶然を計画的に設計することで、より良いキャリアを得ることができると説いている。さらに教授によると、偶発性は、好奇心や持続性、柔軟性や楽観性、冒険心といった行動特性を持つ人に起こりやすいのだそうだ。  文字にしてしまえば、いわゆるアメリカンドリームをわざと難しく説明した至極当たり前の法則のように思えるが、8割という数字自体はなかなか趣深い。製薬業界で話題となっている第一三共の常勤顧問・中山讓治氏が著した『私の履歴書 新薬に出会うまで』を読むと、身に降りかかった予期せぬ境遇や契機を基本的に受け入れながら、前向きに対応するうちに同社のトップの座が転がり

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