健康保険はじめて物語
出産育児一時金のはじめて(その3)
第6回
フリーライター・早川幸子
2024年5月1日号
「妊娠・出産は疾病ではない」という理由付けによって、日本では長らく、正常分娩は公的医療保険の適用外とされてきた。だが、前回(24年4月1日号)の本コラムで、健康保険法の施行当時は、正常分娩にも現物給付の道が開かれていたことを確認した。
被保険者である女性が分娩した場合、原則的には分娩費として20円の現金給付を行うことになっていたが、産院に収容し助産の手当を現物給付することも認められていた。そして、助産の手当を行った場合は分娩費を10円に減額する措置がとられた。つまり、分娩は現金給付を原則としつつも、保険者の判断で現物給付することも認められていたのである。
さらに、当時残された記録から、戦前の一時期、分娩は現物給付が原則とされ、幅広く利用されていた時期があったことがわかった。今回は、分娩が現金給付から現物給付に移行した経...
「妊娠・出産は疾病ではない」という理由付けによって、日本では長らく、正常分娩は公的医療保険の適用外とされてきた。だが、前回(24年4月1日号)の本コラムで、健康保険法の施行当時は、正常分娩にも現物給付の道が開かれていたことを確認した。
被保険者である女性が分娩した場合、原則的には分娩費として20円の現金給付を行うことになっていたが、産院に収容し助産の手当を現物給付することも認められていた。そして、助産の手当を行った場合は分娩費を10円に減額する措置がとられた。つまり、分娩は現金給付を原則としつつも、保険者の判断で現物給付することも認められていたのである。
さらに、当時残された記録から、戦前の一時期、分娩は現物給付が原則とされ、幅広く利用されていた時期があったことがわかった。今回は、分娩が現金給付から現物給付に移行した経緯を
有料会員限定
会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください
【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)
ログイン
会員登録