医薬経済オンライン

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上昌広の日本医療の診立て

小林製薬問題で感じる日米医師の温度差

第44回 健康食品被害で医学界が声を上げない致命的背景

医療ガバナンス研究所理事長

2024年5月1日号

 小林製薬の紅麹問題をきっかけに健康食品の安全性についての議論が盛り上がっている。  実は、この問題は、米国を20年遅れで追いかけている。アベノミクスの一環として15年4月に導入された機能性表示食品制度は、94年に米国で制定された「食品サプリメント健康及び教育法」(DSHEA法)を雛形としている。サプリメントは販売前に米国食品医薬品局(FDA)の承認を必要としないことが法制化され、消費者はサプリメントの安全性と有効性について、製造業者の主張を信じるしかなくなった。これ以降、米国でサプリメントによる健康被害が急増する。  このことは、さまざまな研究により実証されている。有名な論文は、15年10月に、FDAが『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』(NEJM)誌に発表したものだ。この研究によると、全米での年間の救急外来受...  小林製薬の紅麹問題をきっかけに健康食品の安全性についての議論が盛り上がっている。  実は、この問題は、米国を20年遅れで追いかけている。アベノミクスの一環として15年4月に導入された機能性表示食品制度は、94年に米国で制定された「食品サプリメント健康及び教育法」(DSHEA法)を雛形としている。サプリメントは販売前に米国食品医薬品局(FDA)の承認を必要としないことが法制化され、消費者はサプリメントの安全性と有効性について、製造業者の主張を信じるしかなくなった。これ以降、米国でサプリメントによる健康被害が急増する。  このことは、さまざまな研究により実証されている。有名な論文は、15年10月に、FDAが『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』(NEJM)誌に発表したものだ。この研究によると、全米での年間の救急外来受診

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