家計簿目線の医療経済 コスパ患者学
オプジーボ:1人1年生存に薬剤費総額2300万円
第43回
黒澤 恵
2024年5月1日号
薬剤費と薬効から費用対効果(コスパ)を考える本連載、今回は再び「オプジーボ」(ニボルマブ)を取り上げよう。第40回でも紹介した通り、23年に国内医療用医薬品の最高額となる1661億8100万円を売り上げた薬剤だ。今回は最も処方患者数が多い胃がん、なかでも現在、ガイドラインで推奨されている3次療法に焦点を当てる。
胃癌治療ガイドライン(第6版)においてニボルマブは、「2つ以上の化学療法を行われた対象に対して、プラセボと比較して生存期間延長を示した」とされている。エビデンスとなったのは「ATTRACTION︱2」という無作為化試験だ[Lancet 2017; 390: 2461]。
対象は、すでに2レジメンの標準化学療法に不応・不耐となった進行・再発胃がん/胃食道接合部がんだ。493例がニボルマブ群と偽薬群に無作為化された。その結果、ニボルマブ群では1年間で37%の死亡...
薬剤費と薬効から費用対効果(コスパ)を考える本連載、今回は再び「オプジーボ」(ニボルマブ)を取り上げよう。第40回でも紹介した通り、23年に国内医療用医薬品の最高額となる1661億8100万円を売り上げた薬剤だ。今回は最も処方患者数が多い胃がん、なかでも現在、ガイドラインで推奨されている3次療法に焦点を当てる。
胃癌治療ガイドライン(第6版)においてニボルマブは、「2つ以上の化学療法を行われた対象に対して、プラセボと比較して生存期間延長を示した」とされている。エビデンスとなったのは「ATTRACTION︱2」という無作為化試験だ[Lancet 2017; 390: 2461]。
対象は、すでに2レジメンの標準化学療法に不応・不耐となった進行・再発胃がん/胃食道接合部がんだ。493例がニボルマブ群と偽薬群に無作為化された。その結果、ニボルマブ群では1年間で37%の死亡リ
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