医薬経済オンライン

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鳥集徹の口に苦い話〜媚びないジャーナリストの劇薬処方箋〜

社会的な「IC違反」を問う 新型コロナワクチン集団訴訟

第205回

鳥集徹

2024年5月1日号

 4月17日、新型コロナウイルスワクチン接種後に死亡した人の遺族8人と、学校や職場へ通えなくなったワクチン後遺症患者5人の計13人が、国に総額約9150万円の賠償を求める集団訴訟を東京地裁に起こした。このワクチンの健康被害については、これまで一部のローカル局や地方紙しか報じてこなかったが、今回はFNN(フジテレビ系)が詳しく報じたのを始め、NHKや毎日、朝日、読売などの全国紙も一斉に報じたので、集団訴訟の提起を知った人も多いだろう。  これまでの薬害訴訟では、製薬会社が安全性に問題のある医薬品を製造して販売したことや、その医薬品の承認手続きで安全性の確認が不十分だったこと、市販後の安全対策を怠ったことなどが、国及び製薬会社の責任を求める根拠になっていた。だが、この訴訟が異色なのは、賠償を求める理由を「副反応などのマイナス情報を広報せずに被害を...  4月17日、新型コロナウイルスワクチン接種後に死亡した人の遺族8人と、学校や職場へ通えなくなったワクチン後遺症患者5人の計13人が、国に総額約9150万円の賠償を求める集団訴訟を東京地裁に起こした。このワクチンの健康被害については、これまで一部のローカル局や地方紙しか報じてこなかったが、今回はFNN(フジテレビ系)が詳しく報じたのを始め、NHKや毎日、朝日、読売などの全国紙も一斉に報じたので、集団訴訟の提起を知った人も多いだろう。  これまでの薬害訴訟では、製薬会社が安全性に問題のある医薬品を製造して販売したことや、その医薬品の承認手続きで安全性の確認が不十分だったこと、市販後の安全対策を怠ったことなどが、国及び製薬会社の責任を求める根拠になっていた。だが、この訴訟が異色なのは、賠償を求める理由を「副反応などのマイナス情報を広報せずに被害を広げ

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