読む医療ー医者が書いた本の斜め読みー
死のジレンマを解き明かす
第240回
大西一幸
2024年5月1日号
中断される死現代医療はいかに死に方を複雑にしているか
ブレア・ビガム
中川泉訳
青土社/2024年2月刊
患者として一度、いわゆるER、救急治療室に入ったことがある。電車で狭心症の発作に襲われ、救急車で運ばれた。救急病院に到着したときは発作が収まって、心肺蘇生(CPR)治療を受けることはなかった。狭い部屋には5~6人の患者が運ばれており、汗まみれの救急医療現場の臨場体験は半端なものではなかった。
発作が収まり、救急医の問いかけにも余裕十分で応答できたことから、そのまま90分ほど放っておかれた。トリアージタッグは緑。なので運ばれてくる救急患者の傷病程度などに関する救急医や救命士、看護師などの怒鳴り合うような緊迫感たっぷりの会話の応酬を耳にした。ベッドはカーテンで区切られているが、声は明瞭過ぎるほど。...
中断される死現代医療はいかに死に方を複雑にしているか
ブレア・ビガム
中川泉訳
青土社/2024年2月刊
患者として一度、いわゆるER、救急治療室に入ったことがある。電車で狭心症の発作に襲われ、救急車で運ばれた。救急病院に到着したときは発作が収まって、心肺蘇生(CPR)治療を受けることはなかった。狭い部屋には5~6人の患者が運ばれており、汗まみれの救急医療現場の臨場体験は半端なものではなかった。
発作が収まり、救急医の問いかけにも余裕十分で応答できたことから、そのまま90分ほど放っておかれた。トリアージタッグは緑。なので運ばれてくる救急患者の傷病程度などに関する救急医や救命士、看護師などの怒鳴り合うような緊迫感たっぷりの会話の応酬を耳にした。ベッドはカーテンで区切られているが、声は明瞭過ぎるほど。
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