NOTEBOOK-こぼれ話
薬剤師の将来性
2024年5月1日号
とある薬剤師資格を持つ人が、「薬剤師に在宅なんかできるわけがない」と嘆いていた。 そもそも在宅医療とは、入院しない(できない)患者の看護や看取りである。そのため、医療従事者は24時間体制で、急変などに対応しなければならない。訪問看護が在宅医療や在宅介護の中心となるのも、看護師が入院患者と向き合ってきたから。 一方、薬剤師は薬学教育で、そのような現場に立つことは滅多にない。教育実習も調剤薬局かドラッグストアでの「外来」勤務が実態で、医療従事者とは言い難い。病院薬剤師はどうか。ここも、あくまで病床での薬の服薬管理や情報提供がメインなので、看取りはできないそうだ。 厚生労働省は抗がん剤などの調製や管理を担う専門薬剤師、健康サポート薬局などでのかかりつけ薬剤師に対し、調剤報酬上で優遇している。だが、「そもそも誰が教えられるのか。仮に存在しても一...
とある薬剤師資格を持つ人が、「薬剤師に在宅なんかできるわけがない」と嘆いていた。 そもそも在宅医療とは、入院しない(できない)患者の看護や看取りである。そのため、医療従事者は24時間体制で、急変などに対応しなければならない。訪問看護が在宅医療や在宅介護の中心となるのも、看護師が入院患者と向き合ってきたから。 一方、薬剤師は薬学教育で、そのような現場に立つことは滅多にない。教育実習も調剤薬局かドラッグストアでの「外来」勤務が実態で、医療従事者とは言い難い。病院薬剤師はどうか。ここも、あくまで病床での薬の服薬管理や情報提供がメインなので、看取りはできないそうだ。 厚生労働省は抗がん剤などの調製や管理を担う専門薬剤師、健康サポート薬局などでのかかりつけ薬剤師に対し、調剤報酬上で優遇している。だが、「そもそも誰が教えられるのか。仮に存在しても一握り
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