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医政羅針盤

医師偏在対策の財務省提案について

山形大学大学院医学系研究科医療政策学講座教授 村上正泰

2024年5月15日号

 4月16日に開催された財政制度等審議会財政制度分科会で、財務省は医師の偏在対策に関する提案を行った。昨年も同様の提案を行っているが、経済的インセンティブと規制的手法の2本柱で構成されており、前者では、診療所の偏在是正のために、地域別単価の導入を提案している。後者では、医師過剰地域での新規開業規制を検討すべきとしている。  筆者の私見を予め述べれば、地域別単価の導入はかなり筋が悪いと言わざるを得ない。他方、医師過剰地域での新規開業規制は、杓子定規に実施すると上手く行かないが、何らかの量的規制の導入は必要ではないかと考える。  まず、地域別単価の導入について考えてみたい。財務省は今回の資料のなかで「診療所不足地域と診療所過剰地域で異なる1点あたり単価を設定し、報酬面からも診療所過剰地域から診療所不足地域への医...  4月16日に開催された財政制度等審議会財政制度分科会で、財務省は医師の偏在対策に関する提案を行った。昨年も同様の提案を行っているが、経済的インセンティブと規制的手法の2本柱で構成されており、前者では、診療所の偏在是正のために、地域別単価の導入を提案している。後者では、医師過剰地域での新規開業規制を検討すべきとしている。  筆者の私見を予め述べれば、地域別単価の導入はかなり筋が悪いと言わざるを得ない。他方、医師過剰地域での新規開業規制は、杓子定規に実施すると上手く行かないが、何らかの量的規制の導入は必要ではないかと考える。  まず、地域別単価の導入について考えてみたい。財務省は今回の資料のなかで「診療所不足地域と診療所過剰地域で異なる1点あたり単価を設定し、報酬面からも診療所過剰地域から診療所不足地域への医療資

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