薬のおカネを議論しよう
安全性がおざなりにされた医療保健製品
第113回
医療ガバナンス研究所医師 尾崎章彦
2024年5月15日号
このところ世間を賑わせている小林製薬の紅麹問題。4月7日現在、紅麹に関連して、3000人余りが健康被害を訴えており、212人が入院し、5人が死亡したと報告されている。
問題の本質を考えるに当たって示唆に富む報告が、米国からタイムリーに上がってきた。
24年5月2日に出版された米国医師会雑誌に、「ヒト由来細胞・組織、また、それに基づく医薬品における承認プロセスの迅速な見直しの必要性」という論説が掲載された。米アジヨ・バイオロジクスが販売したヒト由来の骨基質が、結核菌で汚染されていたケースを取り上げたものだ。
驚くべきことに、21年に同製品を使用した113人のうち87人(77%)に結核のアウトブレイクが起きた後、23年にも36人で結核感染が指摘されている。
このところ世間を賑わせている小林製薬の紅麹問題。4月7日現在、紅麹に関連して、3000人余りが健康被害を訴えており、212人が入院し、5人が死亡したと報告されている。
問題の本質を考えるに当たって示唆に富む報告が、米国からタイムリーに上がってきた。
24年5月2日に出版された米国医師会雑誌に、「ヒト由来細胞・組織、また、それに基づく医薬品における承認プロセスの迅速な見直しの必要性」という論説が掲載された。米アジヨ・バイオロジクスが販売したヒト由来の骨基質が、結核菌で汚染されていたケースを取り上げたものだ。
驚くべきことに、21年に同製品を使用した113人のうち87人(77%)に結核のアウトブレイクが起きた後、23年にも36人で結核感染が指摘されている。
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