米軍最新戦場救命ガイドライン④

平時医療体制の破綻に備える〜電光石火こそ最良の有事医療〜

米軍最新戦場救命ガイドライン④

第196回　不可解な自衛隊事業から見えること

埼玉県国民保護協議会委員　照井資規

2024年5月15日号

　自衛隊で相次ぐ射撃や航空機の事故、予算の不適切な運用、部隊の現状にそぐわない事業の推進が目立つ。問題にすべきことが問題として扱われずに根本的に解決されず、「事件」は「事故」に、「悲劇」は「美談」に置き換えられ、核心部分が表向きには別のことにされている。　23年12月22日、陸上自衛隊は、複数の部下へのパワハラ行為があったとして、青森駐屯地司令を兼任する坂元秀明第9師団副師団長を陸将補から2等陸佐に降任する処分を行った。1等陸佐には実質4段階の等級がある。2等陸佐への降任とは、見掛け上は2階級であるが、給与等の待遇を考えれば6段階の格下げに相当する。自衛隊の懲戒処分の種類には、免職・降任・停職・減給・戒告があるが、そのうち最も重い「免職」に次ぐ大変厳しい処分であり、パワハラを原因とするものでは陸上自衛隊初である。役職も、副師団長から防衛... 　自衛隊で相次ぐ射撃や航空機の事故、予算の不適切な運用、部隊の現状にそぐわない事業の推進が目立つ。問題にすべきことが問題として扱われずに根本的に解決されず、「事件」は「事故」に、「悲劇」は「美談」に置き換えられ、核心部分が表向きには別のことにされている。　23年12月22日、陸上自衛隊は、複数の部下へのパワハラ行為があったとして、青森駐屯地司令を兼任する坂元秀明第9師団副師団長を陸将補から2等陸佐に降任する処分を行った。1等陸佐には実質4段階の等級がある。2等陸佐への降任とは、見掛け上は2階級であるが、給与等の待遇を考えれば6段階の格下げに相当する。自衛隊の懲戒処分の種類には、免職・降任・停職・減給・戒告があるが、そのうち最も重い「免職」に次ぐ大変厳しい処分であり、パワハラを原因とするものでは陸上自衛隊初である。役職も、副師団長から防衛省陸

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