医薬経済オンライン

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間違いだらけのHTA

「HTA=費用対効果評価」は正しいか

第107回

東京大学大学院薬学系研究科医療政策・公衆衛生学 五十嵐中

2024年6月1日号

 財務省・財政制度等審議会の春の建議で、費用対効果評価制度の拡張が提言されたことも手伝って、いわゆるHTAの議論がこれまでよりもやや外側の領域に拡がりつつある。広く議論されるのは歓迎すべきことだが、もともと「間違い」の多いHTA領域ゆえに、拡がれば拡がるほど、どうしても誤解される可能性は増してゆく。  14年の本連載の第1回のテーマは、「そのHTAは狭義か広義か?」のタイトルだった。HTAイコール費用対効果評価ではないし、HTA機関の業務は費用対効果評価だけではない。ドイツなど、HTA機関があっても費用対効果評価を実施していない国もある。  10年の時を経て、方向性は180度変わったものの、依然として「HTA=費用対効果評価」の誤解は根強く残る。今回の提言でも、提言そのものを注意深く読めば書き分けられてはいるとはいえ、背景知識なしで読めば「いろ...  財務省・財政制度等審議会の春の建議で、費用対効果評価制度の拡張が提言されたことも手伝って、いわゆるHTAの議論がこれまでよりもやや外側の領域に拡がりつつある。広く議論されるのは歓迎すべきことだが、もともと「間違い」の多いHTA領域ゆえに、拡がれば拡がるほど、どうしても誤解される可能性は増してゆく。  14年の本連載の第1回のテーマは、「そのHTAは狭義か広義か?」のタイトルだった。HTAイコール費用対効果評価ではないし、HTA機関の業務は費用対効果評価だけではない。ドイツなど、HTA機関があっても費用対効果評価を実施していない国もある。  10年の時を経て、方向性は180度変わったものの、依然として「HTA=費用対効果評価」の誤解は根強く残る。今回の提言でも、提言そのものを注意深く読めば書き分けられてはいるとはいえ、背景知識なしで読めば「いろん

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