現場が望む社会保障制度
「ポスト地域医療構想」の隠れた論点は
第109回
ニッセイ基礎研究所主任研究員 三原 岳
2024年6月1日号
急性期病床の削減や在宅医療の充実などをめざす「地域医療構想」の期限切れまで残り1年となるなか、2040年頃を意識した「ポスト地域医療構想」の議論が本格化しつつある。厚生労働省は有識者などで構成する検討組織を新設し、在宅医療や外来、人材確保、介護との連携といった論点も加味しつつ、新たな仕組みの大枠を年内までに固めるとしている。
筆者も「今後の少子高齢化などを踏まえると、地域医療構想の枠組みは継続する必要がある」と考えているが、厚労省が挙げた点のほかに「隠れた論点」も残されていると考えている。
例えば、地域医療構想はもともと「過剰な病床の適正化」「切れ目のない提供体制の構築」という2つの目的が入り混じる構造的なわかりにくさを有している。さらに、診療報酬による政策誘導の傾向が浮き彫りとなっているほか、24年4月から始まった「...
急性期病床の削減や在宅医療の充実などをめざす「地域医療構想」の期限切れまで残り1年となるなか、2040年頃を意識した「ポスト地域医療構想」の議論が本格化しつつある。厚生労働省は有識者などで構成する検討組織を新設し、在宅医療や外来、人材確保、介護との連携といった論点も加味しつつ、新たな仕組みの大枠を年内までに固めるとしている。
筆者も「今後の少子高齢化などを踏まえると、地域医療構想の枠組みは継続する必要がある」と考えているが、厚労省が挙げた点のほかに「隠れた論点」も残されていると考えている。
例えば、地域医療構想はもともと「過剰な病床の適正化」「切れ目のない提供体制の構築」という2つの目的が入り混じる構造的なわかりにくさを有している。さらに、診療報酬による政策誘導の傾向が浮き彫りとなっているほか、24年4月から始まった「医
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