健康保険はじめて物語
出産育児一時金のはじめて(その4)
第7回
フリーライター・早川幸子
2024年6月1日号
「このたび助産手当に関しては実物の給付を原則として、社会局から地方長官に指令することになつたのである」(青木秀虎著『健康保険産婆要覧』)
1932(昭和7)年1月、内務省社会局保険部は健康保険法第50条、第51条を解釈変更し、分娩の給付方針を大きく転換した。それまで、健康保険の分娩は現金給付が原則だったものを、疾病や負傷と同様に現物給付を原則とすることを打ち出したのだ。そして、健康保険産婆の指定を行うことで、団体自由選択主義に基づく現物給付が全国的に広がっていった。この解釈変更から5年後の1937(昭和12)年度は、政府管掌健康保険の分娩の現物給付の利用件数が4万1950件まで増加し、全体の94.2%に上っていた。制度変更の影響は組合管掌健康保険にも広がり、同年度は全体の52.6%にあたる3216件に対して分娩の現物給付が行われている。
「このたび助産手当に関しては実物の給付を原則として、社会局から地方長官に指令することになつたのである」(青木秀虎著『健康保険産婆要覧』)
1932(昭和7)年1月、内務省社会局保険部は健康保険法第50条、第51条を解釈変更し、分娩の給付方針を大きく転換した。それまで、健康保険の分娩は現金給付が原則だったものを、疾病や負傷と同様に現物給付を原則とすることを打ち出したのだ。そして、健康保険産婆の指定を行うことで、団体自由選択主義に基づく現物給付が全国的に広がっていった。この解釈変更から5年後の1937(昭和12)年度は、政府管掌健康保険の分娩の現物給付の利用件数が4万1950件まで増加し、全体の94.2%に上っていた。制度変更の影響は組合管掌健康保険にも広がり、同年度は全体の52.6%にあたる3216件に対して分娩の現物給付が行われている。
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