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上昌広の日本医療の診立て

麻疹流行なのに抜本改革を逃した「複合体」

第45回 必要不可欠な接種世代を置き去りに、環境悪化は不可避

医療ガバナンス研究所理事長

2024年6月1日号

 麻疹の流行が収束した。国立感染症研究所によれば、24年第7週(2月12〜18日)に初めて確認された麻疹患者は、第12週(3月18〜24日)の1人を最後に感染者が確認されていない。感染者の合計は21人だ。感染者の減少とともに、盛り上がった麻疹対策の議論も雲散霧消した。お馴染みの光景である。厚生労働省の都合、製薬企業の利権、そして医師たちの無関心が重なり、公衆衛生上の欠陥が修正されないまま放置されている。これを本稿で論じたい。  私が強調したいのは、現在も世界では麻疹が流行していることだ。厚労省によれば、人口100万人あたりの感染者数は多い順にイエメン(1387人)、アゼルバイジャン(1319人)、キルギスタン(1046人)、カザフスタン(770人)だ。  グローバル化が進んだ昨今、流行国から毎年のように麻疹が流入している。新型コロナウイルス禍で流行は...  麻疹の流行が収束した。国立感染症研究所によれば、24年第7週(2月12〜18日)に初めて確認された麻疹患者は、第12週(3月18〜24日)の1人を最後に感染者が確認されていない。感染者の合計は21人だ。感染者の減少とともに、盛り上がった麻疹対策の議論も雲散霧消した。お馴染みの光景である。厚生労働省の都合、製薬企業の利権、そして医師たちの無関心が重なり、公衆衛生上の欠陥が修正されないまま放置されている。これを本稿で論じたい。  私が強調したいのは、現在も世界では麻疹が流行していることだ。厚労省によれば、人口100万人あたりの感染者数は多い順にイエメン(1387人)、アゼルバイジャン(1319人)、キルギスタン(1046人)、カザフスタン(770人)だ。  グローバル化が進んだ昨今、流行国から毎年のように麻疹が流入している。新型コロナウイルス禍で流行は抑制

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