ランセットに寄稿する意義と価値

薬のおカネを議論しよう

ランセットに寄稿する意義と価値

第114回

医療ガバナンス研究所医師　谷本哲也

2024年6月1日号

　私は英医学誌『ランセット』へ寄稿する活動を15年前より続けている。掲載された原稿は40報以上を数えるが、この場をお借りして共著者の先生方に深謝申し上げる。　ランセットは、1823年に外科医トーマス・ウェイクリーにより創刊された。シャーロック・ホームズの小説にも登場し、アーサー・コナン・ドイル自身も寄稿したことで知られる。200年以上の歴史で医学の進歩に大きな貢献を続け、医学誌の影響力を示すインパクト・ファクターは23年には最高峰レベルの168.9に達した。その特徴は、医学総合誌として広範な分野をカバーし、公衆衛生や臨床医学に関し教科書を書き換えるような最先端の研究を多く掲載している点がまず挙げられる。　これだけなら類似の米『ニューイングランド医学誌』（NEJM）などと同じだが、同誌を大きく他と差別化しているのは、英国だけでなく世界... 　私は英医学誌『ランセット』へ寄稿する活動を15年前より続けている。掲載された原稿は40報以上を数えるが、この場をお借りして共著者の先生方に深謝申し上げる。　ランセットは、1823年に外科医トーマス・ウェイクリーにより創刊された。シャーロック・ホームズの小説にも登場し、アーサー・コナン・ドイル自身も寄稿したことで知られる。200年以上の歴史で医学の進歩に大きな貢献を続け、医学誌の影響力を示すインパクト・ファクターは23年には最高峰レベルの168.9に達した。その特徴は、医学総合誌として広範な分野をカバーし、公衆衛生や臨床医学に関し教科書を書き換えるような最先端の研究を多く掲載している点がまず挙げられる。　これだけなら類似の米『ニューイングランド医学誌』（NEJM）などと同じだが、同誌を大きく他と差別化しているのは、英国だけでなく世界中の

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