環境省の「アキレス腱」医系技官の無責任体質
設置の原点を忘れては国際問題にも対応できない
2024年6月15日号
国民が抱いていた「公害対策は環境省の1丁目1番地」というイメージを壊すには十分な、あまりにもひどい出来事だった。
5月1日に熊本県水俣市で起きた、いわゆる「マイクオフ」問題だ。同日、伊藤信太郎環境相が水俣病患者団体と懇談した際、持ち時間を超えたとして、患者らが発言中、同省職員がマイクを切った。抗議する患者らを尻目に、司会役を務めた木内哲平特殊疾病対策室長が淡々と鞄を片付けはじめ、さらに伊藤環境相も何も言わずに立ち去るという異様な光景が繰り広げられたのだ。テレビなどを通じ、全国に配信されたその映像を前に、環境省に対して不信感を抱いた向きも多かっただろう。
1956年の水俣病の公式発見を契機に、公害が大きな社会問題となるなか、政府は67年に公害対策基本法を施行。4年後の71年には環境省の前身となる環境庁が発足し、公害対策を一手...
国民が抱いていた「公害対策は環境省の1丁目1番地」というイメージを壊すには十分な、あまりにもひどい出来事だった。
5月1日に熊本県水俣市で起きた、いわゆる「マイクオフ」問題だ。同日、伊藤信太郎環境相が水俣病患者団体と懇談した際、持ち時間を超えたとして、患者らが発言中、同省職員がマイクを切った。抗議する患者らを尻目に、司会役を務めた木内哲平特殊疾病対策室長が淡々と鞄を片付けはじめ、さらに伊藤環境相も何も言わずに立ち去るという異様な光景が繰り広げられたのだ。テレビなどを通じ、全国に配信されたその映像を前に、環境省に対して不信感を抱いた向きも多かっただろう。
1956年の水俣病の公式発見を契機に、公害が大きな社会問題となるなか、政府は67年に公害対策基本法を施行。4年後の71年には環境省の前身となる環境庁が発足し、公害対策を一手に
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