時流遡航
日々諸事遊考88
第328回 ─医薬経済誌での執筆に至る経緯とその足跡を回顧する─
本田成親
2024年6月15日号
先日のことだが、久々に初夏の新緑の輝きわたる奥多摩山地を訪ね、多摩川水系の上流域に架かる橋上に立ち止まって、しばし眼下の深い渓谷の流れに眺め入った。若い頃には激しく岩を食む激流を辿ってこの谷筋の最奥部まで遡り、文字どおりの源流地にまで足を踏み入れもしたものだったが、老い果てた今のこの身には最早そのための体力も気力も残されてはいなかった。
またそれ故にではあったのだろう、橋の上流方向と下流方向とを交互に見渡しながら視線を走らせていると、「久々にこの地点まで足を運ぶことができてよかったなあ。でもまあ、もうこれ以上は無理をせず、この辺りで足を止めておいたほうが賢明かもしれないよな?」と、自制を諭し促すような声が何処からともなく響いてきた。
そして、一連のそんな状況に身を委ね続けているうちに、心中の想いはこのささやか...
先日のことだが、久々に初夏の新緑の輝きわたる奥多摩山地を訪ね、多摩川水系の上流域に架かる橋上に立ち止まって、しばし眼下の深い渓谷の流れに眺め入った。若い頃には激しく岩を食む激流を辿ってこの谷筋の最奥部まで遡り、文字どおりの源流地にまで足を踏み入れもしたものだったが、老い果てた今のこの身には最早そのための体力も気力も残されてはいなかった。
またそれ故にではあったのだろう、橋の上流方向と下流方向とを交互に見渡しながら視線を走らせていると、「久々にこの地点まで足を運ぶことができてよかったなあ。でもまあ、もうこれ以上は無理をせず、この辺りで足を止めておいたほうが賢明かもしれないよな?」と、自制を諭し促すような声が何処からともなく響いてきた。
そして、一連のそんな状況に身を委ね続けているうちに、心中の想いはこのささやかな連
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