医薬経済オンライン

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現場が望む社会保障制度

今回も続いた中医協バイパスの背景と展望は?

第110回

ニッセイ基礎研究所主任研究員 三原 岳

2024年7月1日号

 6月から新しい診療報酬体系がスタートした。毎回の改定では、関係者の合意形成が積み重ねられるため、足して二で割るような決定が下される分、細かい見直しが入るのが通例である。さらに、今回の改定では、厚生労働省の担当幹部が「触っていないところがない」(24年3月13日『m3.com』配信記事における眞鍋馨医療課長のコメント)と述べるほど、見直しが広範にわたっており、全体像の把握が難しくなっている。  そこで、今回は過去の改定との比較を通じて、中央社会保険医療協議会(中医協、厚労相の諮問機関)の位置付けが変化している点を取り上げたい。具体的には、改定率が決まる大臣合意の際、改定内容が細かく決まるなど、中医協をバイパスする動きが相次いでいる点に注目。その背景を考えるとともに、今後の方向性を占う。  国の多くの審議会が「役所の隠れ蓑」「御...  6月から新しい診療報酬体系がスタートした。毎回の改定では、関係者の合意形成が積み重ねられるため、足して二で割るような決定が下される分、細かい見直しが入るのが通例である。さらに、今回の改定では、厚生労働省の担当幹部が「触っていないところがない」(24年3月13日『m3.com』配信記事における眞鍋馨医療課長のコメント)と述べるほど、見直しが広範にわたっており、全体像の把握が難しくなっている。  そこで、今回は過去の改定との比較を通じて、中央社会保険医療協議会(中医協、厚労相の諮問機関)の位置付けが変化している点を取り上げたい。具体的には、改定率が決まる大臣合意の際、改定内容が細かく決まるなど、中医協をバイパスする動きが相次いでいる点に注目。その背景を考えるとともに、今後の方向性を占う。  国の多くの審議会が「役所の隠れ蓑」「御用学

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