上昌広の日本医療の診立て
授業料値上げで見る東大「経営」の蹉跌
第46回 赤字解消に向け「お上」に縋る組織の改革を断行すべき
医療ガバナンス研究所理事長
2024年7月1日号
東京大学の授業料の値上げが話題となっている。最大で約10万円の値上げとなる今回の対応に、世論は総じて批判的だ。私は、一連の議論を聞いて、暗澹たる気持ちとなる。東大は日本の大学の最高峰だ。今回の授業料値上げは、現在の国立大学が抱える問題を象徴している。本稿で論じたい。
東大が抱える最大の問題は経営だ。22年度決算では、経常収益は22億円増の2663億円だったが、経常費用が96億円増の2715億円に膨らんだため、差し引き約51億円の赤字だった。
この時は「臨時利益」として930億円を計上し、黒字決算としているが、「次年度も約70億円の赤字で、各部局に一律6%の予算削減の通知がきた」(東大教授)という。今後も円安、物価上昇、資源高などが続けば、経営はますます悪化する。
東京大学の授業料の値上げが話題となっている。最大で約10万円の値上げとなる今回の対応に、世論は総じて批判的だ。私は、一連の議論を聞いて、暗澹たる気持ちとなる。東大は日本の大学の最高峰だ。今回の授業料値上げは、現在の国立大学が抱える問題を象徴している。本稿で論じたい。
東大が抱える最大の問題は経営だ。22年度決算では、経常収益は22億円増の2663億円だったが、経常費用が96億円増の2715億円に膨らんだため、差し引き約51億円の赤字だった。
この時は「臨時利益」として930億円を計上し、黒字決算としているが、「次年度も約70億円の赤字で、各部局に一律6%の予算削減の通知がきた」(東大教授)という。今後も円安、物価上昇、資源高などが続けば、経営はますます悪化する。
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