一筆入魂
健康な時に認めた事前指示書は万能か
死の価値観の変化に対応するためには
ノンフィクション作家 辰濃哲郎
2024年7月1日号
多死社会に直面する日本で、高齢者の命が蔑ろにされないためにも、“死に方”の生前意思を表明しておくことは大切だ。だがその事前指示書の仕組みをみると、大きな課題が浮かんでくる。どんな偉人でも凡人でも、死ぬことは初めての経験だ。
生前に延命治療の拒否を表明していても、初めて訪れる死の恐怖にたじろぐこともある。生前意思を表明した時点と、終末期に直面した時点での死への価値観は人によって大きく変化する。自分らしい“死に方”を遂げるためには何が必要なのだろう。
公益財団法人である日本尊厳死協会(1976年設立)が進めてきたのがリビング・ウイル(LW)の普及だ。不可逆的に回復が見込めない患者に死期が迫ったときに、いたずらな延命治療を断るリビング・ウイルを事前指示書として会員登録してきた。登録会員は12万人ほどだ。
これ以外に...
多死社会に直面する日本で、高齢者の命が蔑ろにされないためにも、“死に方”の生前意思を表明しておくことは大切だ。だがその事前指示書の仕組みをみると、大きな課題が浮かんでくる。どんな偉人でも凡人でも、死ぬことは初めての経験だ。
生前に延命治療の拒否を表明していても、初めて訪れる死の恐怖にたじろぐこともある。生前意思を表明した時点と、終末期に直面した時点での死への価値観は人によって大きく変化する。自分らしい“死に方”を遂げるためには何が必要なのだろう。
公益財団法人である日本尊厳死協会(1976年設立)が進めてきたのがリビング・ウイル(LW)の普及だ。不可逆的に回復が見込めない患者に死期が迫ったときに、いたずらな延命治療を断るリビング・ウイルを事前指示書として会員登録してきた。登録会員は12万人ほどだ。
これ以外にも
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