家計簿目線の医療経済 コスパ患者学
テセントリク:1人1年生存改善に6000万円
第47回
黒澤 恵
2024年7月1日号
5月30日から米国シカゴでは、米国臨床腫瘍学会(ASCO)が開催された。今年も薬剤の新規有効性を報じる多くのプレスリリースや記事が、さまざまな媒体を賑わせた。事情をよく知らない人が見たら「がんの完全制圧も近い」と勘違いするのではないか。
というわけで本連載も今回はがん治療薬に戻り、免疫チェックポイント阻害剤「テセントリク」(アテゾリズマブ)を取り上げる。18年の上市から順調に売上げを伸ばし、23年には655億円を達成。前年からも7.6%の増加率だった。肝細胞がんでの使用増が売上げ増進に貢献しているという。
そこで肝細胞がんに対するアテゾリズマブの費用対効果(コスパ)を、「治療必要例数」(NNT)と薬剤費から検討してみたい。参照するのは肝細胞がんへの承認根拠となった無作為化試験「IMbravel150」だ(①)。全身薬物療法歴なき切除不能の肝...
5月30日から米国シカゴでは、米国臨床腫瘍学会(ASCO)が開催された。今年も薬剤の新規有効性を報じる多くのプレスリリースや記事が、さまざまな媒体を賑わせた。事情をよく知らない人が見たら「がんの完全制圧も近い」と勘違いするのではないか。
というわけで本連載も今回はがん治療薬に戻り、免疫チェックポイント阻害剤「テセントリク」(アテゾリズマブ)を取り上げる。18年の上市から順調に売上げを伸ばし、23年には655億円を達成。前年からも7.6%の増加率だった。肝細胞がんでの使用増が売上げ増進に貢献しているという。
そこで肝細胞がんに対するアテゾリズマブの費用対効果(コスパ)を、「治療必要例数」(NNT)と薬剤費から検討してみたい。参照するのは肝細胞がんへの承認根拠となった無作為化試験「IMbravel150」だ(①)。全身薬物療法歴なき切除不能の肝細胞
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