医薬経済オンライン

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読む医療ー医者が書いた本の斜め読みー

カルミネーションを聴く

第244回

大西一幸

2024年7月1日号

死を生きる 訪問診療医がみた709人の生老病死 小堀鷗一郎著 朝日新聞出版 2024年4月刊  介護の経験はまったくない。父は70歳代後半から認知症気味となり、それに気づいた私と妹が施設に入所するよう働きかけると、素直に応じた。まるで自ら希望していたと言わんばかりだった。86歳で死んだが、ほぼ毎日関東圏に所在する施設を訪問したのは妹だった。関西圏に移り住んだ私には何も手助けができず、それでも妹は、父の病状や生活状況について、私への詳細な報告を欠かさなかった。  年に1度、父の施設を訪れた。施設側の医師、介護者などの求めによるもので、父の認知症の進行程度について彼らから状況を聴き、食事内容の変更などに関して我われへの相談もあった。話し合いを終えると父に面会した。私の家族のことも明確に記憶していた... 死を生きる 訪問診療医がみた709人の生老病死 小堀鷗一郎著 朝日新聞出版 2024年4月刊  介護の経験はまったくない。父は70歳代後半から認知症気味となり、それに気づいた私と妹が施設に入所するよう働きかけると、素直に応じた。まるで自ら希望していたと言わんばかりだった。86歳で死んだが、ほぼ毎日関東圏に所在する施設を訪問したのは妹だった。関西圏に移り住んだ私には何も手助けができず、それでも妹は、父の病状や生活状況について、私への詳細な報告を欠かさなかった。  年に1度、父の施設を訪れた。施設側の医師、介護者などの求めによるもので、父の認知症の進行程度について彼らから状況を聴き、食事内容の変更などに関して我われへの相談もあった。話し合いを終えると父に面会した。私の家族のことも明確に記憶していたが、

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