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医工連携

RNA液滴コンピュータ

医工連携の実践者119 瀧ノ上正浩 東京工業大学教授

2024年7月15日号

 コンピュータの情報処理を細かく分解していくと、最終的に個々の素子で行う論理演算へと辿り着く。2つの入力値がともに「真」なら「真」を出力する「AND」、どちらかが「真」の場合に「真」を出力する「OR」、入力が「真」なら「偽」を「偽」なら「真」を出力する「NOT」が代表的な論理演算だ。組み合わせれば複雑な計算も可能で、そして入力や出力が電気信号である必要はない。  この入力と出力を適当な分子に直接担わせようとするのが分子コンピューティングだ。分子のなかでも核酸(DNAとRNA)は生命現象の大元で働いているだけでなく、合成が容易なうえ相補塩基同士だけが結合する塩基対形成ルールもあって挙動を予測しやすいため、生体内で働く演算素子の材料に適している。  6月、設計・合成したRNA構造体(以後モチーフと呼ぶ)に水中で直径数㎛の液滴を形成させてか...  コンピュータの情報処理を細かく分解していくと、最終的に個々の素子で行う論理演算へと辿り着く。2つの入力値がともに「真」なら「真」を出力する「AND」、どちらかが「真」の場合に「真」を出力する「OR」、入力が「真」なら「偽」を「偽」なら「真」を出力する「NOT」が代表的な論理演算だ。組み合わせれば複雑な計算も可能で、そして入力や出力が電気信号である必要はない。  この入力と出力を適当な分子に直接担わせようとするのが分子コンピューティングだ。分子のなかでも核酸(DNAとRNA)は生命現象の大元で働いているだけでなく、合成が容易なうえ相補塩基同士だけが結合する塩基対形成ルールもあって挙動を予測しやすいため、生体内で働く演算素子の材料に適している。  6月、設計・合成したRNA構造体(以後モチーフと呼ぶ)に水中で直径数㎛の液滴を形成させてから

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