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医政羅針盤

「骨太の方針2024」と医療政策の不透明感

山形大学大学院医学系研究科医療政策学講座教授 村上正泰

2024年7月15日号

 6月21日に閣議決定された「骨太の方針2024」には、これからの医療政策で大きな争点になりそうな課題がいくつか取り上げられている。と言っても、方向性は明確になっておらず、先行きには不透明感が漂っていると言わざるを得ない。今後、激しい議論が交わされ、結論はその行方次第になると思われるが、本稿では「骨太の方針2024」が提起するいくつかの論点を検討したい。  第1に、これまでの「骨太」からの変化として、物価・賃金の上昇への配慮が挙げられる。第2次安倍晋三政権以降、消費税率の引き上げに伴う社会保障の充実などを除くと、社会保障関係費の実質的な増加は高齢化による増加分に相当する伸びに抑えられてきた。これを医療費に当て嵌めるならば、高度化等による伸びを許容しないことを意味する。しかし、高度化分をまったく認めないというのは現実的に不可能で...  6月21日に閣議決定された「骨太の方針2024」には、これからの医療政策で大きな争点になりそうな課題がいくつか取り上げられている。と言っても、方向性は明確になっておらず、先行きには不透明感が漂っていると言わざるを得ない。今後、激しい議論が交わされ、結論はその行方次第になると思われるが、本稿では「骨太の方針2024」が提起するいくつかの論点を検討したい。  第1に、これまでの「骨太」からの変化として、物価・賃金の上昇への配慮が挙げられる。第2次安倍晋三政権以降、消費税率の引き上げに伴う社会保障の充実などを除くと、社会保障関係費の実質的な増加は高齢化による増加分に相当する伸びに抑えられてきた。これを医療費に当て嵌めるならば、高度化等による伸びを許容しないことを意味する。しかし、高度化分をまったく認めないというのは現実的に不可能であ

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