技術革新と製薬企業の明日
ALS「克服」へ明るい兆し
第164回 「孤発性」に挑戦する企業群
宮田総研代表取締役 宮田満
2024年7月15日号
神経難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の根本治療に光明が見えてきた。日本では1万人以上のALS患者が存在する。好発年齢は60〜70歳代であり、高齢社会の大きな脅威である。
ALSの治療薬開発は挫折の繰り返しだった。田辺三菱製薬の「ラジカット」経口剤は23年に国際共同治験が頓挫している。新しい作用機序の画期的新薬として22年9月に米国で条件付き承認を得た「レリブリオ」も、発売後の第Ⅲ相試験の結果、治療効果を証明することができず、4月に販売停止となった。この薬は小胞体ストレスとミトコンドリアストレスを抑制する22種類の既存薬の定量コンボだったが、残念ながら期待外れに終わってしまった。
既存薬の開発は、ALSの発症機構の解明が不十分だったため、運動神経の変性を生じるさまざまなストレスの解消に焦点を置く対症療法の開発にとどまってい...
神経難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の根本治療に光明が見えてきた。日本では1万人以上のALS患者が存在する。好発年齢は60〜70歳代であり、高齢社会の大きな脅威である。
ALSの治療薬開発は挫折の繰り返しだった。田辺三菱製薬の「ラジカット」経口剤は23年に国際共同治験が頓挫している。新しい作用機序の画期的新薬として22年9月に米国で条件付き承認を得た「レリブリオ」も、発売後の第Ⅲ相試験の結果、治療効果を証明することができず、4月に販売停止となった。この薬は小胞体ストレスとミトコンドリアストレスを抑制する22種類の既存薬の定量コンボだったが、残念ながら期待外れに終わってしまった。
既存薬の開発は、ALSの発症機構の解明が不十分だったため、運動神経の変性を生じるさまざまなストレスの解消に焦点を置く対症療法の開発にとどまっていた
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