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高齢者のがん薬物治療⑪

第136回 適切な治療法、有用な情報提供へ研究続く

ジョージメイスン大学大学院(バージニア州)パブリックヘルス専攻  堀玲子

2024年7月15日号

 高齢者のがんの治療方針を決めるにあたって、複雑化するがんの治療や治験(臨床研究)を理解していること、病気が進行したときに介護を含め、どのような環境を保持しているのかが重要となる。また、高齢者にどこまで治療を行うか、2月の日本臨床腫瘍学会学術集会でも取り上げられたが、腫瘍内科医のめざす治療方針(とにかく全生存期間=OS、無増悪生存期間=PFSの延長)は方向転換せざるを得ない。  日本老年腫瘍学会は、高齢者にとって何が適切な医療なのかについて、老年医学の要素も学ぶ必要があるという考えのもと発足した。だが、老年腫瘍学といった分野もまだ充分に知られていない。  どこまで治療をするのか、終末期には主治医と在宅医が連携して治療にあたることを考えると、地域の老年腫瘍医の数、配置する病院がいくつあるかが懸念点となる。  高齢...  高齢者のがんの治療方針を決めるにあたって、複雑化するがんの治療や治験(臨床研究)を理解していること、病気が進行したときに介護を含め、どのような環境を保持しているのかが重要となる。また、高齢者にどこまで治療を行うか、2月の日本臨床腫瘍学会学術集会でも取り上げられたが、腫瘍内科医のめざす治療方針(とにかく全生存期間=OS、無増悪生存期間=PFSの延長)は方向転換せざるを得ない。  日本老年腫瘍学会は、高齢者にとって何が適切な医療なのかについて、老年医学の要素も学ぶ必要があるという考えのもと発足した。だが、老年腫瘍学といった分野もまだ充分に知られていない。  どこまで治療をするのか、終末期には主治医と在宅医が連携して治療にあたることを考えると、地域の老年腫瘍医の数、配置する病院がいくつあるかが懸念点となる。  高齢者

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