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財界論

企業献金は社会貢献か(中)

第46回 民主主義の維持という欺瞞

茨城大学名誉教授 古賀純一郎

2024年7月15日号

「やっと」というべきか。「ついに」と表現するべきか。  93年9月の経団連正・副会長会議で平岩外四会長が廃止を決めた政治献金の斡旋は、財界労務部日経連と統合し、日本経団連へ衣替えした奥田碩会長(写真)の決断で04年1月に復活した。もっとも、それが次善の選択だったことは意外に知られていない。  どういうことなのか。自民党の政権復帰が50年体制下で長らくライバルだった社会党との連立政権を経て96年1月に実現したのは前回触れた。「裏切られた」との怨念も加わって自民党は経団連につらく当たる。本部を訪問しても「何の用だ」とすごみ、「献金を止めたところに用はない」と追い返された。よりが戻るきっかけとなったのは何だったのか。それは“金権腐敗”の形容があながち的外れでもない100億円の借金の肩代わりだった。最近の経団連献金の4年分に匹... 「やっと」というべきか。「ついに」と表現するべきか。  93年9月の経団連正・副会長会議で平岩外四会長が廃止を決めた政治献金の斡旋は、財界労務部日経連と統合し、日本経団連へ衣替えした奥田碩会長(写真)の決断で04年1月に復活した。もっとも、それが次善の選択だったことは意外に知られていない。  どういうことなのか。自民党の政権復帰が50年体制下で長らくライバルだった社会党との連立政権を経て96年1月に実現したのは前回触れた。「裏切られた」との怨念も加わって自民党は経団連につらく当たる。本部を訪問しても「何の用だ」とすごみ、「献金を止めたところに用はない」と追い返された。よりが戻るきっかけとなったのは何だったのか。それは“金権腐敗”の形容があながち的外れでもない100億円の借金の肩代わりだった。最近の経団連献金の4年分に匹敵す

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