家計簿目線の医療経済 コスパ患者学
肥満症に対するウゴービ:適応拡大の必要なしか
第49回
黒澤 恵
2024年8月1日号
日本の処方薬市場の特徴として、新薬登場後、有用性が必ずしも明らかでない早期からの売上げ著増が指摘されている(①)。振り返るなら、ARBやDPP-4阻害薬などが典型だったろうか。
そのような観点から注目したいのが、本年2月に日本でも使用可能となった、肥満症治療薬の「ウゴービ」(セマグルチド注射剤)だ。ただし現在の適応は(1)「高血圧、脂質異常症、2型糖尿病のいずれかを認め」、かつ(2)「肥満関連健康障害を複数有するBMI≧27 kg/m2」例か「BMI≧35 kg/m2」例と、かなり限定されている(最適使用推進ガイドライン)。
同薬は、国際無作為化試験「SELECT」で、血管疾患既往を持つ肥満例の脳心血管重篤疾患をプラセボに比べ有意に、そして極めて早期から抑制した(②)。この結果は「減量による脳心血管重篤疾患抑制が初めて証明された」と解釈され、大いに話...
日本の処方薬市場の特徴として、新薬登場後、有用性が必ずしも明らかでない早期からの売上げ著増が指摘されている(①)。振り返るなら、ARBやDPP-4阻害薬などが典型だったろうか。
そのような観点から注目したいのが、本年2月に日本でも使用可能となった、肥満症治療薬の「ウゴービ」(セマグルチド注射剤)だ。ただし現在の適応は(1)「高血圧、脂質異常症、2型糖尿病のいずれかを認め」、かつ(2)「肥満関連健康障害を複数有するBMI≧27 kg/m2」例か「BMI≧35 kg/m2」例と、かなり限定されている(最適使用推進ガイドライン)。
同薬は、国際無作為化試験「SELECT」で、血管疾患既往を持つ肥満例の脳心血管重篤疾患をプラセボに比べ有意に、そして極めて早期から抑制した(②)。この結果は「減量による脳心血管重篤疾患抑制が初めて証明された」と解釈され、大いに話題と
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