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腎性貧血に対するダーブロック:有用性エビデンスもなくも頻用

第50回

黒澤 恵

2024年8月15日号

 今年7月、HIF-PH阻害薬「ダーブロック」(ダプロデュスタット)の製品添付文書が改訂された。心不全患者、またはその既往者では「心不全が増悪又は再発するおそれがある」との注意が加筆されたのだ。保存期慢性腎臓病(CKD)患者においてダルベポエチンαに比べた心不全入院の有意増加が、無作為化比較試験データの後付解析で明らかになったためである(透析患者では増加傾向のみ、①)。 慢性腎臓病(CKD)の5〜6人に1人が心不全を発症するとされる以上(②)、同剤を安全に使えるCKD患者の数はかなり限られてきそうだ。22年には66億円を売り上げ、さらに右肩上がりだった同剤だが、今後はどうなるだろう。  しかしこの薬、そもそもそれほど頻用されるべき薬剤だったのだろうか。本連載38回でも指摘したように、腎性貧血を呈する保存期CKD患者を対象とした無作為化試験比較試験「ASCEND-ND...  今年7月、HIF-PH阻害薬「ダーブロック」(ダプロデュスタット)の製品添付文書が改訂された。心不全患者、またはその既往者では「心不全が増悪又は再発するおそれがある」との注意が加筆されたのだ。保存期慢性腎臓病(CKD)患者においてダルベポエチンαに比べた心不全入院の有意増加が、無作為化比較試験データの後付解析で明らかになったためである(透析患者では増加傾向のみ、①)。 慢性腎臓病(CKD)の5〜6人に1人が心不全を発症するとされる以上(②)、同剤を安全に使えるCKD患者の数はかなり限られてきそうだ。22年には66億円を売り上げ、さらに右肩上がりだった同剤だが、今後はどうなるだろう。  しかしこの薬、そもそもそれほど頻用されるべき薬剤だったのだろうか。本連載38回でも指摘したように、腎性貧血を呈する保存期CKD患者を対象とした無作為化試験比較試験「ASCEND-ND」で

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