医薬経済オンライン

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読む医療ー医者が書いた本の斜め読みー

「偉人」を認定する評伝

第247回

大西一幸

2024年8月15日号

北里柴三郎 よみがえる天才7 海堂尊 ちくまプリマー新書/2022年3月刊  あまりはっきりしない記憶で間違いがあるかもしれないが、70年代か80年代初め、山口瞳の週刊誌連載随筆で、大人の男が持ち歩いておくべきお金の話を読んだ。  1000円札単位で、年齢の2〜3倍の金額が語られていたように思う。山口はサラリーマンの経験が長く、そこから題材をとった話が多かった。サラリーマンの心得などがテーマのときは少しばかり説教くさかったが、当時の私はありがたく読んだ。彼の「お説教」は、当時20歳代後半から30歳代の自分たちに向けて語られているという思い込みがあった。  若いサラリーマンといえども、いついかなるときに自らが支払いをしなければならなくなるかわからない、リスクに備えるのが身の丈であり、浪費を勧めて... 北里柴三郎 よみがえる天才7 海堂尊 ちくまプリマー新書/2022年3月刊  あまりはっきりしない記憶で間違いがあるかもしれないが、70年代か80年代初め、山口瞳の週刊誌連載随筆で、大人の男が持ち歩いておくべきお金の話を読んだ。  1000円札単位で、年齢の2〜3倍の金額が語られていたように思う。山口はサラリーマンの経験が長く、そこから題材をとった話が多かった。サラリーマンの心得などがテーマのときは少しばかり説教くさかったが、当時の私はありがたく読んだ。彼の「お説教」は、当時20歳代後半から30歳代の自分たちに向けて語られているという思い込みがあった。  若いサラリーマンといえども、いついかなるときに自らが支払いをしなければならなくなるかわからない、リスクに備えるのが身の丈であり、浪費を勧めている

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