現場が望む社会保障制度
介護の生産性向上はどこまで可能か?
第112回
ニッセイ基礎研究所主任研究員 三原 岳
2024年9月1日号
24年度介護報酬改定では、職場環境改善や人材不足に対応するため、介護現場の「生産性」向上が柱のひとつに位置付けられた。改定では、施設系サービスなどで生産性向上に関する委員会の設置が運営基準に追加されたほか、センサーなどを導入する事業所に対する加算も創設された。
だが、現場では「効率性をめざす生産性という考え方は介護に合わない」「全産業平均よりも低い給与とギリギリの人員で現場は回っているのに、生産性なんて考えられるか」といった反発が聞かれる。
こうした反発は一定程度、傾聴に値すると考えているが、政府の説明を細かく見ると、デジタル化を通じて文書記録事務などを効率化することで、対人支援業務が強化される可能性が強調されており、筆者は特段の違和感を持っていない。むしろ、「生産性」という言葉への反発が現場の職場環境改善を妨...
24年度介護報酬改定では、職場環境改善や人材不足に対応するため、介護現場の「生産性」向上が柱のひとつに位置付けられた。改定では、施設系サービスなどで生産性向上に関する委員会の設置が運営基準に追加されたほか、センサーなどを導入する事業所に対する加算も創設された。
だが、現場では「効率性をめざす生産性という考え方は介護に合わない」「全産業平均よりも低い給与とギリギリの人員で現場は回っているのに、生産性なんて考えられるか」といった反発が聞かれる。
こうした反発は一定程度、傾聴に値すると考えているが、政府の説明を細かく見ると、デジタル化を通じて文書記録事務などを効率化することで、対人支援業務が強化される可能性が強調されており、筆者は特段の違和感を持っていない。むしろ、「生産性」という言葉への反発が現場の職場環境改善を妨げる
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