医薬経済オンライン

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上昌広の日本医療の診立て

もはや暴論レベル、財務省発「開業規制」

第48回 意味をなさない日独医療比較は 歴史的経緯を無視している

医療ガバナンス研究所理事長

2024年9月1日号

 医療機関の経営環境が急速に悪化している。円安に伴う物価高、人件費上昇、そして6月から実施された診療報酬改定が主な原因だ。  ところが、政府はますます医療費を抑制するようである。高齢化が進み、財政難に喘ぐ現状では、「診療報酬は抑制するしかない」という訳だ。彼らの理屈も理解はできる。問題は議論の進め方にある。  医療費抑制の議論を進めるのは財務省だ。彼らは、医療費を抑制するには規制を強化するしかないと考えている。4月16日に財政制度等審議会・財政制度分科会に提出した資料が興味深い。ここで、彼らは「日本と同様に公的医療保険制度をとるなかで、診療化別、地域別の定員を設ける仕組みをとっている」とドイツの事例を紹介している。具体的には、規制当局が「需要計画」を立て、「供給水準が一般比率の110%超」で「過剰供給」として新規開業を制限...  医療機関の経営環境が急速に悪化している。円安に伴う物価高、人件費上昇、そして6月から実施された診療報酬改定が主な原因だ。  ところが、政府はますます医療費を抑制するようである。高齢化が進み、財政難に喘ぐ現状では、「診療報酬は抑制するしかない」という訳だ。彼らの理屈も理解はできる。問題は議論の進め方にある。  医療費抑制の議論を進めるのは財務省だ。彼らは、医療費を抑制するには規制を強化するしかないと考えている。4月16日に財政制度等審議会・財政制度分科会に提出した資料が興味深い。ここで、彼らは「日本と同様に公的医療保険制度をとるなかで、診療化別、地域別の定員を設ける仕組みをとっている」とドイツの事例を紹介している。具体的には、規制当局が「需要計画」を立て、「供給水準が一般比率の110%超」で「過剰供給」として新規開業を制限す

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