看護学者から見た個別化医療とグローバリズム
繰り返される不適切ケアを浄化できない医療者
第85回 単科の精神科病院の痛ましい事案はなぜなくならない
大阪大学大学院医学系研究科/公益財団法人浅香山病院 山川みやえ
2024年9月1日号
また、痛ましい事案が起こった。精神科病院「明石土山病院」(兵庫県明石市)での患者死亡問題だ。日本の精神科医療の現状に対する深刻な懸念を呼び起こすものである。
この患者は精神疾患で入院し、2年間隔離され(おそらく保護室)、パンをのどに詰まらせ、病院側がそれに気付かず、21年に窒息死したというものだった。遺族はこの事態に対して抗議を続けた。そして、神戸新聞が8月20日付で、遺族が病院を提訴すると報じた。
実は、私はこの事件に関して、遺族を支えてきた関係者から継続的に話を聞く立場にあった。彼らは、当初から遺族に寄り添い、精神科医療の問題点や改善の必要性について深く考え続けてきた。この関係者からの話を通じて、遺族の苦悩や、医療の現場が安易な方向に流れているのを直接感じ取ることができた。この問題は、日本の精神科医療の危うさを...
また、痛ましい事案が起こった。精神科病院「明石土山病院」(兵庫県明石市)での患者死亡問題だ。日本の精神科医療の現状に対する深刻な懸念を呼び起こすものである。
この患者は精神疾患で入院し、2年間隔離され(おそらく保護室)、パンをのどに詰まらせ、病院側がそれに気付かず、21年に窒息死したというものだった。遺族はこの事態に対して抗議を続けた。そして、神戸新聞が8月20日付で、遺族が病院を提訴すると報じた。
実は、私はこの事件に関して、遺族を支えてきた関係者から継続的に話を聞く立場にあった。彼らは、当初から遺族に寄り添い、精神科医療の問題点や改善の必要性について深く考え続けてきた。この関係者からの話を通じて、遺族の苦悩や、医療の現場が安易な方向に流れているのを直接感じ取ることができた。この問題は、日本の精神科医療の危うさを浮き
有料会員限定
会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください
【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)
ログイン
会員登録