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家計簿目線の医療経済 コスパ患者学

マンジャロ:年間最大55万円以上で予後改善エビデンスなし

第51回

黒澤 恵

2024年9月1日号

 GIP/GLP-1受容体作動薬「マンジャロ」(チルゼパチド)は供給不足という逆風下でも、23年3月の薬価収載時、厚生労働省に示した10年後のピーク時予測367億円に向け、市場浸透は順調に進んでいるそうだ。  そこで気になるのは、順調な市場浸透の背景だ。それほどインパクトのあるエビデンスがあるのだろうか。確かに血糖改善や体重減少のデータは存在する。しかし、2型糖尿病患者の心臓血管系疾患や腎疾患を減らすというエビデンスはない。そのような疾患を減らすかどうかもわからないうちに、処方が急増したわけである。その「合理性」は何処に。  日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」にも明記されているように、「糖尿病治療の目標は、高血糖に起因する代謝異常を改善することに加え、糖尿病に特徴的な合併症、および糖尿病に起こり得る併発症の発症、増悪を防ぐ...  GIP/GLP-1受容体作動薬「マンジャロ」(チルゼパチド)は供給不足という逆風下でも、23年3月の薬価収載時、厚生労働省に示した10年後のピーク時予測367億円に向け、市場浸透は順調に進んでいるそうだ。  そこで気になるのは、順調な市場浸透の背景だ。それほどインパクトのあるエビデンスがあるのだろうか。確かに血糖改善や体重減少のデータは存在する。しかし、2型糖尿病患者の心臓血管系疾患や腎疾患を減らすというエビデンスはない。そのような疾患を減らすかどうかもわからないうちに、処方が急増したわけである。その「合理性」は何処に。  日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」にも明記されているように、「糖尿病治療の目標は、高血糖に起因する代謝異常を改善することに加え、糖尿病に特徴的な合併症、および糖尿病に起こり得る併発症の発症、増悪を防ぐ」

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