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第140回 日本がんサポーティブケア学会に参加して得た考察④

ジョージメイスン大学大学院(バージニア州)パブリックヘルス専攻  堀玲子

2024年9月15日号

 5月にさいたま市で行われた日本がんサポーティブケア学会の第9回学術集会に参加した。今後のがん治療の発展のためにも、この学会の取り組みは非常に重要と考えている。ここで得た知見を紹介したい。  最近、頻繁に各種がんに応用されている免疫チェックポイント阻害剤。免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1やCTLA-4といった免疫を不活化する分子を阻害することで、がん細胞に対する免疫を増強させて治療効果を発揮する。ところが、がんに対する免疫だけを選択的に増強することはできないため、免疫が自分自身を攻撃してしまうといった、さまざまな自己免疫疾患を引き起こしてしまう。  主な症状としては、間質性肺疾患や大腸炎、甲状腺機能低下症、肝障害、発心、下垂体炎、糖尿病、腎機能障害、末梢神経障害、重症筋無力症など全身のあらゆる臓器に生じるという。がん治療...  5月にさいたま市で行われた日本がんサポーティブケア学会の第9回学術集会に参加した。今後のがん治療の発展のためにも、この学会の取り組みは非常に重要と考えている。ここで得た知見を紹介したい。  最近、頻繁に各種がんに応用されている免疫チェックポイント阻害剤。免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1やCTLA-4といった免疫を不活化する分子を阻害することで、がん細胞に対する免疫を増強させて治療効果を発揮する。ところが、がんに対する免疫だけを選択的に増強することはできないため、免疫が自分自身を攻撃してしまうといった、さまざまな自己免疫疾患を引き起こしてしまう。  主な症状としては、間質性肺疾患や大腸炎、甲状腺機能低下症、肝障害、発心、下垂体炎、糖尿病、腎機能障害、末梢神経障害、重症筋無力症など全身のあらゆる臓器に生じるという。がん治療をし

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