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HFmr/pEFに対するケレンディア:長生きはできないが…

第52回

黒澤 恵

2024年9月15日号

 8月末からロンドンでは欧州心臓病学会が開催され、いくつかの無作為化試験が注目を集めた。「ケレンディア」(フィネレノン)を左室機能の高度低下していない心不全(HFmr/pEF)に用いたFINEARTS-HF試験もそのひとつだ。レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系を阻害する薬剤として初めて、HFmr/pEFの予後を改善した。 現在の適応は2型糖尿病を合併した保存期慢性腎臓病のみの同薬だが、バイエルは「今後、FINEARTS-HF試験の成績に基づき、フィネレノンの承認申請を規制当局に提出する予定」としている。FINEARTS-HF試験には日本の患者も登録されているため、同様の動きとなるだろう。 そこでフィネレノンをHFmr/pEFに用いた場合の費用対効果(コスパ)を治療必要者数(NNT)から検討してみたい。 FINEARTS-HF試験に登録されたのは「左室駆出率40%以上」の症候性心不全患者である。加えて...  8月末からロンドンでは欧州心臓病学会が開催され、いくつかの無作為化試験が注目を集めた。「ケレンディア」(フィネレノン)を左室機能の高度低下していない心不全(HFmr/pEF)に用いたFINEARTS-HF試験もそのひとつだ。レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系を阻害する薬剤として初めて、HFmr/pEFの予後を改善した。 現在の適応は2型糖尿病を合併した保存期慢性腎臓病のみの同薬だが、バイエルは「今後、FINEARTS-HF試験の成績に基づき、フィネレノンの承認申請を規制当局に提出する予定」としている。FINEARTS-HF試験には日本の患者も登録されているため、同様の動きとなるだろう。 そこでフィネレノンをHFmr/pEFに用いた場合の費用対効果(コスパ)を治療必要者数(NNT)から検討してみたい。 FINEARTS-HF試験に登録されたのは「左室駆出率40%以上」の症候性心不全患者である。加えて「心

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