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財界論

財界活動と企業業績

第48回 赤字の経団連会長

茨城大学名誉教授 古賀純一郎

2024年9月15日号

 日本経団連のこの5月末の総会は例年とは違う意味で注目を集めていた。直截に言えば十倉雅和会長の交代があるかないかである。出身の住友化学が巨額の赤字を計上、その関連で財界総理の座から去るとの観測が一部に浮上していたからである。だが、そうした風は吹くこともなく杞憂に終わった。もっとも、赤字を垂れ流しても任期をまっとうするトップを抱える財界とは一体何なのか。経営者たちは何のために力を入れているのかを考える良い機会となったのは間違いない。  石油化学製品の市況の悪化から「創業以来の危機的状況」(岩田圭一社長)に直面していた住化は24年3月期の連結決算で営業損失4888億円、当期利益はマイナス3118億円の空前の赤字を計上した。税引き赤字も4628億円と何とも凄まじい。特許切れで主力商品を欠いた医薬品子会社の住友ファーマが3000億円超の赤字...  日本経団連のこの5月末の総会は例年とは違う意味で注目を集めていた。直截に言えば十倉雅和会長の交代があるかないかである。出身の住友化学が巨額の赤字を計上、その関連で財界総理の座から去るとの観測が一部に浮上していたからである。だが、そうした風は吹くこともなく杞憂に終わった。もっとも、赤字を垂れ流しても任期をまっとうするトップを抱える財界とは一体何なのか。経営者たちは何のために力を入れているのかを考える良い機会となったのは間違いない。  石油化学製品の市況の悪化から「創業以来の危機的状況」(岩田圭一社長)に直面していた住化は24年3月期の連結決算で営業損失4888億円、当期利益はマイナス3118億円の空前の赤字を計上した。税引き赤字も4628億円と何とも凄まじい。特許切れで主力商品を欠いた医薬品子会社の住友ファーマが3000億円超の赤字に沈

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