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積極降圧:「SBP<130mmHg」降圧の恩恵は500人に1人?

第53回

黒澤 恵

2024年10月1日号

 欧州心臓病学会(ESC)の高血圧ガイドラインが改訂された(①)。降圧薬服用患者の降圧目標値は原則「130/80㎜Hg未満」である。対照的に、昨年改訂された欧州高血圧学会(ESH)ガイドラインでは、降圧薬服用患者でも降圧目標は原則「140/90㎜Hg未満」だった(②)。この差をもたらした最大の要因は「効率性」考慮の有無だ。ESHガイドラインも「130/80㎜Hg未満」目標降圧が「140/90㎜Hg未満」目標に比べ重篤心臓血管(CV)系疾患を抑制することは認めている(根拠は無作為化試験メタ解析(③、④)。しかし「130/80㎜Hg未満」まで血圧を下げても重篤CV系疾患の絶対リスク減少幅は極めて小さい(①)。当然だが血圧をより厳格に下げようとすれば降圧薬による副作用発現リスクが増える。それにより降圧治療に寄り付かなくなるリスクも、ESHガイドラインが懸念するところだ。  では実際、普通...  欧州心臓病学会(ESC)の高血圧ガイドラインが改訂された(①)。降圧薬服用患者の降圧目標値は原則「130/80㎜Hg未満」である。対照的に、昨年改訂された欧州高血圧学会(ESH)ガイドラインでは、降圧薬服用患者でも降圧目標は原則「140/90㎜Hg未満」だった(②)。この差をもたらした最大の要因は「効率性」考慮の有無だ。ESHガイドラインも「130/80㎜Hg未満」目標降圧が「140/90㎜Hg未満」目標に比べ重篤心臓血管(CV)系疾患を抑制することは認めている(根拠は無作為化試験メタ解析(③、④)。しかし「130/80㎜Hg未満」まで血圧を下げても重篤CV系疾患の絶対リスク減少幅は極めて小さい(①)。当然だが血圧をより厳格に下げようとすれば降圧薬による副作用発現リスクが増える。それにより降圧治療に寄り付かなくなるリスクも、ESHガイドラインが懸念するところだ。  では実際、普通の

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