医工連携
無痛の血糖値センサ
医工連携の実践者125 高井まどか 東京大学教授
2024年10月15日号
それまで測れなかったものを測ることは、時として疾病の概念や医療のかたちを変える。
例えば血糖値スパイクだ。その重大性を知らない読者はいないだろうが、注目されるようになったのは今世紀に入ってから、継続的血糖モニタリング(CGM)によって現象が「発見」されて以降のことだ。そして、14年にアボットが欧州で発売したCGMシステム「FreeStyleリブレ」(日本発売は17年)によって、その新しい疾病概念は一般人にも可視化され急速に普及した。
血液は、空気など異物に触れると凝固するし、夾雑物も多く含む。このため継続計測するとセンサが汚れて精度を保ちづらい。その難点を越えて血糖値を手軽に常時推定できるようになったのは、細胞間質液のグルコース濃度と血糖値との間に良い相関があるとわかり、間質液の計測で代用するようになったからだ。
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それまで測れなかったものを測ることは、時として疾病の概念や医療のかたちを変える。
例えば血糖値スパイクだ。その重大性を知らない読者はいないだろうが、注目されるようになったのは今世紀に入ってから、継続的血糖モニタリング(CGM)によって現象が「発見」されて以降のことだ。そして、14年にアボットが欧州で発売したCGMシステム「FreeStyleリブレ」(日本発売は17年)によって、その新しい疾病概念は一般人にも可視化され急速に普及した。
血液は、空気など異物に触れると凝固するし、夾雑物も多く含む。このため継続計測するとセンサが汚れて精度を保ちづらい。その難点を越えて血糖値を手軽に常時推定できるようになったのは、細胞間質液のグルコース濃度と血糖値との間に良い相関があるとわかり、間質液の計測で代用するようになったからだ。
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