必然だった米国薬価引き下げの「潮流」

インフレ抑制法は何を変えるのか（前）

2024年10月15日号

　米国の薬価制度改革は想定以上に強烈だった。インフレ抑制法（IRA）が米国の医療提供体制と製薬産業にどのような影響をもたらすのか、日本の製薬企業も注視している。　米国政府は8月15日、IRA成立から2年を迎えたことを受け、成果をとりまとめ、発表した。「IRAは、大手製薬企業に打ち勝って薬価を引き下げ、医療費とエネルギー費用を下げ、税制をより公平にすることで、すでに米国人の生活を変えている」と自画自賛した。　薬価引き下げについては、26年だけで負担を60億ドル（8880億円＝1ドル148円換算）減少させるとともに、高齢者と障害者は自己負担額を15億ドル（2220億円）節約すると訴えている。　周知の通り、米国政府が26年から設定する、メディケアパートD（65歳以上の外来患者の処方箋薬保険＝5000万人）でカバーする医薬品10製品について、1年を... 　米国の薬価制度改革は想定以上に強烈だった。インフレ抑制法（IRA）が米国の医療提供体制と製薬産業にどのような影響をもたらすのか、日本の製薬企業も注視している。　米国政府は8月15日、IRA成立から2年を迎えたことを受け、成果をとりまとめ、発表した。「IRAは、大手製薬企業に打ち勝って薬価を引き下げ、医療費とエネルギー費用を下げ、税制をより公平にすることで、すでに米国人の生活を変えている」と自画自賛した。　薬価引き下げについては、26年だけで負担を60億ドル（8880億円＝1ドル148円換算）減少させるとともに、高齢者と障害者は自己負担額を15億ドル（2220億円）節約すると訴えている。　周知の通り、米国政府が26年から設定する、メディケアパートD（65歳以上の外来患者の処方箋薬保険＝5000万人）でカバーする医薬品10製品について、1年をかけ

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